ミルトン・モデル
ミルトンモデルとは、催眠療法の第一人者として有名なミルトン・エリクソンがクライアントに対して使用していた巧みな言葉遣いを分析・体系化したものです。
そこには、何気ない文章で相手の無意識に影響を与える様々なポイントが隠されてありました。
そのポイントを分析・解説したものが、ミルトン・モデルです。
1. 前提
→ 会話の中に、話し手に同意を得たい内容がすでにあるものとして
話を進める
「AプランとBプランでは、どちらのプランをご希望ですか?」
何かしらのプランを選択することが前提に含まれている。
2. 読心術(マインドリーディング)
→ 憶測や読み一般化などを用いて、相手の考えが読めているかのように言うこと。
「今すぐに、決断することは難しいですよね」
相手の考えに同調することでラポール(信頼関係)を築く。
3. 主体の省略
→ 話の主体を省略する事によって、話を受け入れやすくする。
「優秀な方ほど、この話を聞くとやる気になるようですよ。」
この言葉を聞いた人は、優秀な人になる為に、やる気を発揮する。
4. 因果関係
→ 「AだからB」というように、理由づけする事で説得力を増す。
「今この会社で仕事をしているのだから、将来必ず成功するはずだよ」
Aに絶対的に起きている現象を入れると、だからの後にくるBも絶対的に感じられる。
5. 異なるものの同一視
→AとBという異なるモノを同じこととして、結びつけて言う。
最初にYESが取れる内容入れる事によって、後に続く本当に伝えたい事に対してNOという事が難しくなる。
「あなたがこの部署にいるという事は、みんなから必要とされているという事です」
みんなから必要とされているという自己重要感を与える事が出来る。
6. 普遍的数量詞
→「すべて」、「どんな~でも」、「いつも」、「誰でも」など、一般化する言葉。
「うちの会社で働いている人は、みんな優秀だよ」
みんなの中に自分も含まれるため、相手に優秀だというメッセージを伝えることができる。
7. 不特定の動詞・名詞
→「動く」、「変わる」、「思う」、「体験する」、「学ぶ」など、
内容が具体的に特定されない動詞や名詞。
「なんだか、雰囲気が変わったよね」
どのように変化したかは述べていないが、相手はよい変化のように感じる。
8. 叙法助動詞
→ 「できる」と言い切ることで、選択肢をなくしYESを引き出しやすくする。
「さらに努力すれば、目標を達成することができる」
9. 引用
→第三者の言葉を引用する事によって、権威付けを行いメッセージを受け取りやすくする。
10. 否定命令
→ あえてメッセージとは、逆の事を言いつつ、
無意識はそのメッセージを肯定的メッセージとして受け取る。
「すぐに、申し込みをしないでください」
文章としては否定だが、申し込みする事を無意識にイメージさせる効果がある。
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